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ジズス(1)

 


マレーンの最初の夫は、戦争で南に行ったまま帰って来なかった。
 

 


彼女は生まれて間もない男の子を抱え、不安のうちに、鉄道会社で働く独り暮らしの叔父を頼った。
 

 


ごく狭い寝室と、わずかな衣食を得る代償として、マレーンはそのやせ細った体を提供することに同意した。
 

 


たぎった欲望を昼夜の境もなく注ぎ込まれ、やがて彼女は身ごもった。
 

 


風の強い新月の晩に生まれた男の子は、背中一面に生えた獣のような太い毛と、いびつに曲がった二本の腕を持っていた。
 

 


彼につけられた名前は、ジズス。
 

 


この国の古い言葉で「奇妙な猿」という意味であり、
 

 


それが私の名前である。

 

 

 

 

ジズス(2)

 

 

 

 

 

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