CALENDAR
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< June 2017 >>
CATEGORIES
ARCHIVES
<< 浅田弘幸×大森暁生トークライブ終了しました。 | main | 対談 浅田弘幸×大森暁生(2) >>
対談 浅田弘幸×大森暁生(1)

 

 

 

 

浅田弘幸×大森暁生トークライブ at D.B.Factory

花の咲く場所 -Flowers Always Bloom Somewhere-

 

 

 

 

 

 

 

朝からとても天気のいい日だったのです。

それだけで私はその日の勝利を確信しつつ、東京・北千住にある

彫刻家・大森暁生氏の工房 D.B.Factoryに向かいました。

 

 

 

去る2017年5月4日に開催した、

漫画家・浅田弘幸さんと、彫刻家・大森暁生さんのトークイベントの模様。

当日の司会を務めました Cafe Swordfish代表のヒゲのおっさん 大塚が、全10回にわたってリポートします。

 

(写真)縣 ケンジ/ AGATA Kenji ※記事中、表記のないものすべて

 

 

 

 

 

 

 

 

第1回 黒い壁の中へようこそ

 

 

 

 

高い天窓から射す光の中で、隣り合って座られたお二人。

こちらの工房を会場に選ばせてもらった理由がいくつかある中で、ひとつには、この自然光の美しさがありました。
剥き出しの梁。木材とインダストリアルな備品との絶妙なバランスで構築された、スタイリッシュでありながら温かみを感じる空間。

 

 


静まり返った中でトークに聞き入られるのはイヤだということで、会場にはお店さながら音楽をかけたまま。

今日だけ実店舗になったカフェソードフィッシュに遊びに来た二人の話を、肩肘張らずに聞いてもらおうという趣向です。

 

 

 

開場からトークの前半部分にかけていたのは、アメリカのシンガー、グレン・フィリップスの『コヨーテ・セッション』というアルバム。ビタースウィートな歌声と、アコースティックギターのストローク。

ゲストはすでにビールを傾けつつ、和やかな空気の中でイベントは始まったのです。

 

 

 

 

 

 

 

□ □ □ □ □ □

 

 

【司会】

今日は皆様ようこそお越しいただきました。

こちらが本日のホスト役、彫刻家の、そして会場、D.B.Factory代表でらっしゃいます、
大森暁生さんです。

 

 

 

 

大森暁生さん

 

 

 

 

 

【大森】
ようこそ我が家へ。
本当は人前に出るのが苦手でこういう仕事に就いたのに、最近はこういった機会が増えてきました。
不慣れですけど。
最近は美術館ですとか、美術画廊ですとか、美術大学とかで話をさせてもらうことがあるんですけど、
一応そういう時は、朝、ちょっと洋服ダンスを引っ掻き回してどのシャツにしようかとか、どのジャケットにしようかとか。

 

 

 

 

 

【司会】

パーカーじゃないですか。

 

 

 

 

 

【客席】

(笑)

 

 

 

 

 

【大森】

考えた末に(笑)

 

 

よく考えたら自分ちだから(※住居兼仕事場)

おめかししてるのが恥ずかしくなって、

結局、パーカーになりました。

よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

【客席】

(拍手)

 

 

 

 

 

【司会】
お招きしましたゲスト、漫画家の浅田弘幸さんです。

 

 

 

 

浅田弘幸さん

 

 

 

 

 

【浅田】

こんにちは。浅田です。
すみません。昼間っから飲んでて。

今日はよろしくお願いします。

 

 

 

 

【客席】

(拍手)

 

 

 

 

 

【司会】

さて、こちら工房ということで、大森さんが彫刻家として仕事をしてらっしゃる場所になります。
大森さんは以前にも別の工房を構えてらっしゃったことがありますが、ここに移転なさったのがいつですか?

 

 

 

 

【大森】

初めて工房を構えたのが29歳のときでした。

 

 

美術を目指す人は大体そうなんですけど、大学を出ると使える場所がなくなって、実家の隅っこやら何やらをアトリエがわりにすることになるんです。

僕も最初の頃はうちの祖母が住んでいた部屋の台所の部分、畳で3畳くらいのところを使わせてもらって、そこで何年かやってました。

 


29歳の時にちょっと大きなイベントに声をかけていただいて。
その時に作った作品がこれなんですけど。
 

 

 

 

 

※会場に設置された『ぬけない棘のエレファント』

 

 

 

 

 

これを作るしかないと思ったんですよね。
その時、美術の世界で全く名前も何も出てませんから、とにかく会場で一番目立つものを作ろうと。
これを作るために場所を探しまして。

このすぐ近くですが、荒川区の町家、二軒長屋の一部屋を借りて、そこに6年ぐらい。

それで、35歳ぐらいの時にここに越して、それから11年目くらい経ちました。

 

 

 

 

 

【司会】

素敵な空間ですよねえ。

 

 

 

 

 

 

【浅田】
うん、ほんといい。

 

 

 

 

 

【大森】

そうですね。ここのためなら仕事頑張ろうかっていう場所になりました。

 


ちょうどここを建てる準備やら設計やらをしていた頃に(司会の)大塚さんに出会ったと思うんです。

この後の話でも出てきますけど、アパレルさんとのお仕事なんかをさせてもらうきっかけができた頃で。

 

 

美術家とか作家のアトリエってなんか、汚くって、散らかってるのがかっこいい、みたいな、なんかそういうイメージがあるじゃないですか。散らかってて、その谷間で、底で仕事してるみたいな。

そしたら、コラボレーションの仕事させてもらったアパレルさんの事務所が、どこもまあ、かっこいいこと。

 

 

 

 

 

【浅田】
かっこいいですよね。
 

 

 

 

 

【大森】

その要素に影響を受けてできたのがこのアトリエで。

それがなかったらこういう場所にはなってなかったと思いますね。

 

 

 

 

 

 

□ □ □ □ □ □

 

 

【大森】
もともと、ここは昭和30年ぐらいからあった釘工場だったんですよ。


借りた当初はもう真っ黒で、油だらけで。

(併設の)下宿的な和室ばっかりがたくさんあるようなむかーしの建物が建ってて。そこだけ建て替えまして。

それ以外の今のアトリエ部分は、床貼って、壁とかを白く塗ったぐらい。

 

 

昔、釘が儲かったんですって。すごく。親子3人で釘を作ってたらしくて。

時代的に釘工場というものの需要がなくなった頃に、廃業したっていうより、儲けるだけ儲けて釘工場から商売替えしたって話を聞いたんですけど。
そういった時代的に不要になっていった建物を、また別のものを作る人間が引き継いでいくってのもいいかなと。

 

 

多分この先も、仕事場は一生ここだと思います。

 

 

 

 

 

【司会】

いいですね。若くして終の住処を(笑)

 

 

 

 

 

【大森】

いやいや。家はできれば別のところに。できるなら大きくしたい(笑)

 

 

 

 

 

【浅田】

ここに住んでらっしゃるんですよね?

 

 

 

 

 

【大森】

そうなんです。今はここに住んでいます。

 

 

 

 

 

【浅田】

(それだと)仕事とプライベートは切れないですよね。

 

 

 

 

 

【大森】

そう、それは。

あ、浅田さんもアトリエとご自宅、同じですよね。

 

 

 

 

 

【浅田】

……きつい、じゃないですか。

 

 

 

 

 

【客席】

(笑)

 

 

 

 

 

【大森】
みなさんが、朝、会社に行きたくないって思うように、僕は階段を降りたくない(笑)

 

 

 

 

 

【司会】

距離が短い(笑)

 

 

 

 

 

 

 

□ □ □ □ □ □

 

 

【司会】

こちらの工房、D.B.Factoryの外壁の黒い感じ。

浅田さんの自宅兼仕事場も壁が黒いんですよ。

 

 

 

 

 

【浅田】

真っ黒です。
 

 

 

 

 

 

【司会】

お二人をそれぞれ別に知っていた私は、なんか感覚が似てるなあと思っていたんです。

あと、浅田さんの作品の中に出てくる女性の腰のラインと、大森さんが作られたマーメイドの作品の腰つきがすごく近くて。
お二人を引き合わせたら、とても仲良くなるかもしれないと勝手に思っていて。

 


で、ここ数年、浅田さんとはカフェソードフィッシュの立ち上げから密にお話しする機会が多かったものですから、
大森さんという彫刻家の方がいらっしゃって、ご紹介したいと。

そこの工房がすごくかっこいいから、ちょっと一緒に行きませんかと。

 

 

 

 

 

【大森】

その前に、展覧会にお連れいただいたんですよね。

 

 

 

 

 

 

【司会】

あれ? そうでしたか?

 

 

 

 

 

【浅田】

僕ね、会う前に高島屋とかの展示を見に行ってたんで。

 

 

 

 

 

【大森】

あ、そうなんですか!

ありがとうございます。

 

 

 

 

 

【浅田】

とんでもないです(笑)

でも、お名前は、昔、ケルト&コブラっていうアパレルで、その店舗にマリア像が置いてあって。
あとまあ、『火の頭蓋』っていう…。

 

 

 

 

 

【大森】

キャンドルスタンド、の髑髏。

 

 

 

 

 

【浅田】

はい、それを作った方だっていうのは僕は知ってたんで。

それで高島屋で何回か拝見して、すっげえ、と思って。
だから(ケルト&コブラに在籍していた)大塚さんが昔から知り合いだって聞いていたんで、

いつか伺うことができたらと思っていたんですけど。

 

 

 

 

 

【司会】
たまたまタイミングが合って、浅田さんをこちらの工房にお連れすることができて。

逆に今度は、大森さんが鎌倉の方に伺うという話になりまして。

 

 

 

 

 

【大森】

最初に浅田さんがうちにお出でいただいた時に、

当時の浅田さんのBLOGにも書いてありましたけど、

工房が雰囲気が似てて、浅田さんが「おっ」てなりましたと。

僕も鎌倉に伺った時「おっ」となったんです。

 

 

 

 

当時の浅田さんのBLOG

 

当時の大森さんのBLOG

 

 

 

 

 

【浅田】

もうねえ、外観がね、すごいそっくりなんですよ。

ええー? 俺んち?笑

 

 

 

 

 

 

【客席】

(笑)

 

 

 

 

 

 

【浅田】

だって、俺の欲しい車があるーとか思って(笑)

子供がいるとね、なかなか旧車とかに乗れないんですけど。

 

 

 

 

 

 

【大森】

ああー。そうですよね。

 

 

 

 

 

【浅田】
この人、全開で好きなことしてるなっていう(笑)

 

 

 

 

 

【大森】

おかげで独りなんです(笑)

 

 

 

 

続く。

 

 

 

 

 

 

目次

 

 第1回 黒い壁の中へようこそ(5/17 UP)

 第2回 義眼神父と火の頭蓋(5/22 UP)

 第3回 コラボレーションはトレードマークで(5/26 UP)

 第4回 アシスタント制と工房制(6/4 UP)

 第5回 やりたくない仕事はありますか?(6/6 UP)

 第6回 うみんちゅ君(6/7 UP)

 第7回 まんが道とはぐれ刑事純情派(6/10 UP)

 第8回 上村一夫さん(6/20 UP)

 第9回 浅田さんと大森さんに訊いてみたいこと(6/20 UP)

第10回 少し先の未来(6/20 UP)

 

全10回を公開しました。

 

 

 

 

 

 

浅田弘幸×大森暁生×Cafe Swordfish

スペシャルコラボアイテムのご注文はこちら

 

延長後のオーダー締切は

6月25日(日)夜10時まで

とさせていただきます。

よろしくお願いいたします!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浅田弘幸 / HIROYUKI ASADA
漫画家。1968年神奈川県横浜市生まれ、鎌倉市在住。1986年に集英社月刊少年ジャンプでデビュー。
代表作に「眠兎」「蓮華」「I’ll」「テガミバチ」。アニメのキャラクター原案や、イラストレーターとしても活動中。
筋肉少女帯のCDジャケットや宮沢賢治作品、中原中也詩集の表紙など手掛けている。

https://twitter.com/asadercover

 

 

 

                                   Photo by Nojyo

 

 

大森暁生 / AKIO OHMORI

東京都出身 愛知県立芸術大学美術学部彫刻専攻卒業。
彫刻家 籔内佐斗司氏のアシスタントを経て独立。氏

国内外のギャラリー、百貨店、アートフェア、美術館等での個展や展示に加え、
多くのファッションブランドとのコラボレーションなど幅広く作品を発表。
フォトエッセイ+作品集「PLEASE DO DISTURB」(芸術新聞社)、
大森暁生作品集「月痕 つきあと」(マリア書房)を刊行。

akioohmori.com

 

 

 

      

                                ©️HIROYUKI ASADA, Cafe Swordfish

 

 

カフェソードフィッシュ / Cafe Swordfish
とある街の5街建てビルの屋上にあるという架空のカフェ、ソードフィッシュ。
その物語をモチーフに、様々なジャンルのクリエイターが創作活動を行う、コンテンツサイト&オンラインストア。

cafeswordfish.com

 

 

 

| 対談 浅田弘幸×大森暁生 | 07:51 | - | - | pookmark |