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対談 浅田弘幸×大森暁生(3)

 

 

 

 

 

浅田弘幸×大森暁生トークライブ at D.B.Factory

花の咲く場所 -Flowers Always Bloom Somewhere-

 

 

 

 

 

去る2017年5月4日に開催した、

漫画家・浅田弘幸さんと、彫刻家・大森暁生さんのトークイベントの模様を

全10回にわたってリポートします。

 

 

 

司会・テキスト 大塚茂之(Cafe Swordfish)

写真 縣 ケンジ/ AGATA Kenji ※記事中、表記のないものすべて

 

 

 

 

 

 

第3回 コラボレーションはトレードマークで


 

 

 

このページをお読みいただいている方は、もうすでにご覧になっているかと思いますが、今回のトークイベントを行うにあたってのスペシャルコラボレーションとして、浅田さんがイラストを描き下ろしてくださいました。

そのモチーフとなったのが、大森さんが主宰する工房、D.B.Factoryのマークであり、氏の代表作の一つでもある『ぬけない棘の狼』。

 

 

 

 

 

 

 

 

第3回では、元々のマークが生まれた経緯や、コラボイラストを通して浅田さんが感じた、大森さんの作品のある印象などを語ってもらっています。

 

 

 

 

 

 

□ □ □ □ □ □

 

 

【司会】

(ステージ後方に貼られた、浅田さんのイラストによるD.B.Factoryのマークを見ながら)

最初に大森さんがこのロゴマークを作られたとき、彫刻家にマークがいるの?という話もあったそうですね。

 

 

 

 

 

【大森】

それに関しては、若い頃、試行錯誤していたというか。

 

自分の作るものって、発売日があって、その日になれば全国に並ぶというものではないので、これをどうやって広めていったらいいんだろうっていうのがあってですね。


例えば、一点ものの作品は美術品として発表して、そうじゃないものはファクトリーラインみたいなものが作れないかな、っていうのを当時、漠然と考えていたんですね。

で、そうなった時に、まず、ロゴマークがないとダメだろうと思ったんです。

……なぜか(笑)

 

 

 

 

 

【客席】

(笑)

 

 

 

 

 

【大森】

これ、よくわかんないな(笑) 自分で言ってて、よくわかんない(笑)

 

 

 

 

 

(筆者・補足)

ここでは冗談交じりに話されたような形になっていますが、実はこの点、大森さんの仕事を理解する上で大変重要なポイントとなります。

作品を作るだけでなく、どう伝えていくか。そのために何が必要か。

まだ世に出ていない若い頃から、多くの同業者とは違う視点で物事を見ていたことがわかります。

 

 

 

 

 

【司会】

彫刻家さんでそういうマークを持たれている方っていうのは、他にもいらっしゃったんですか?

 

 

 

 

 

【大森】

多分いなかったと思います。

だからまあ、周りから茶化されましたよ。「カッコつけ」だとか「ブランドのつもりか」とか、いろんなこと言われまして。

 

 

実際、まあ、その時は名刺ぐらいにしか使うところがなかったんですけど、

でも、自分としては真面目に考えていたんです。

 

 

なので、その後、めぐりめぐって、(前章の)照井さんや、いろんなアパレルの方とお仕事をやらせていただいた時に、みんなが知ってるようなそのブランドのマークと一緒にこのマークが並んでいるのを見た時は、本当に嬉しかったですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【司会】

今回、このイベントをやらせていただくにあたって、浅田さんにこのD.B.Factoryのマークをイラストとして描き下ろしていただきまして、うち(Cafe Swordfish)の方で商品化、販売させていただくという形になりまして。
 

 

 

 

 

【大森】

いやあ、嬉しいですよ。本当に嬉しいですし、感慨深い。

マークも成長していくんだなと。

 

 

 

 

 

 

 

□ □ □ □ □ □

 

 

【浅田】

これは筆ペンで描いたんですよ。

いろんな画材を試した中で、あえて描きづらい、一番柔らかい筆ペンで。

作品そのもののフォルムを(緻密に描き込める画材で)再現するんじゃなくて、ざっくりした線を使ってイメージで描くみたいな形にしたんですけど。

 


このね、目が。

大森さんの彫刻の目が、どうしても描けなくて。

 

 

 

 

 

 

【大森】

そうなんですか。

 

 

 

 

 

 

【浅田】

何度もホワイト入れて直したんですよ。

ほんと、なんだろう、俺には描けない目なのかなって。

 

 

大森さんて、本当に明るくて、社交的で、めちゃめちゃいいお兄ちゃんじゃないですか。

 

 

 

 

 

 

【大森】

(笑)

 

 

 

 

 

 

【浅田】

なのに、何故か、ものすごい冷たいものを感じる時があるんです、彫刻の中に。

そう思いながら描いたんですけど。

 

 

 

 

 

 

【大森】
前に写真家さんに言われたことがあります。そういうことを。「氷点下の冷静さ」とか。

 

 

でも、どうなんでしょうね。目だけはわかんないですね。 この仕事をやっていて、お誉めいただいたりすることもあって、それはもちろん嬉しいんですけど、ただ、コントロールが効くところと効かないところが自分であると思っているんですね。

 


もちろん、キャリアとともに技術は絶対上がっていくんです。こうノミ跡を入れれば、パシッと形が決まるとか、ドラマチックに見えるとか、そういった(技術的な)ことはあるんですけども、あのー、目だけはコントロールが効かない、といいますか。

 

 

 

 

 

【浅田】
ほう。

 

 

 

 

 

 

【大森】
自分であんまりわかっていないんです。なぜそうなっているのかの、理由が。
それ以外の部分は、形の出し方とか、一応、理屈に基づいた技術で作っているわけなんですけど。

 

 

……あの、あるじゃないですか、小さい子が、空想で作り出すお友達がいて、何歳かまでは見えていたけど、ある時、ふっとその神通力みたいなものが消えて見えなくなっちゃったとか。
(目に関してのことは)なんかそういうものに近い気がしていて。

 

 

自分の作品は、動物とかの「生きている」というところが生命線だと思っているんですけど、そこに関しては、次の日の朝に起きたら、それがふっとなくなっちゃってるんじゃないか、という不安は正直あるんです。 作品のある程度のフォルムは作れるんですよ。突然まったく作れなくなるってことはありえないですけど、目だけは、それ(不安)はあるんです。

 

 

 

 

 


【浅田】
いろんな彫刻あるじゃないですか。動物だったら、もう少し柔らかい雰囲気で親しみやすい作品も多い。

けど、大森さんの彫刻は、たとえ小さな動物でも近づき難い雰囲気があるんですよ。すごく。

人知の及ばない怖さをもってるというか。


作品がキャラクターじゃないんですよね。だから僕が描けなかったのかなあ、と思って。

 

 

 

 

 

 

【大森】
そんなにご苦労をしてまで描いてくださったとは。ありがとうございます。
でも、このD.B.Factoryのロゴマークは、もとは(ベタ塗りの)シルエットの状態なんですけど、
今回のイラストではノミ跡の陰影をつけてくださっていて、その光の当たった感じとかが、当たり前なんですけど、やはり浅田さんのテイストなんですよね。

 

 

 

続く。

 

 

 

 

 

目次

 

 第1回 黒い壁の中へようこそ(5/17 UP)

 第2回 義眼神父と火の頭蓋(5/22 UP)

 第3回 コラボレーションはトレードマークで(5/26 UP)

 第4回 アシスタント制と工房制(6/4 UP)

 第5回 やりたくない仕事はありますか?(6/6 UP)

 第6回 うみんちゅ君(6/7 UP)

 第7回 まんが道とはぐれ刑事純情派(6/10 UP)

 第8回 上村一夫さん(6/20 UP)

 第9回 浅田さんと大森さんに訊いてみたいこと(6/20 UP)

第10回 少し先の未来(6/20 UP)

 

全10回を公開しました。

 

 

 

 

 

 

浅田弘幸×大森暁生×Cafe Swordfish

スペシャルコラボアイテムのご注文はこちら

 

延長後のオーダー締切は

6月25日(日)夜10時まで

とさせていただきます。

よろしくお願いいたします!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浅田弘幸 / HIROYUKI ASADA
漫画家。1968年神奈川県横浜市生まれ、鎌倉市在住。1986年に集英社月刊少年ジャンプでデビュー。
代表作に「眠兎」「蓮華」「I’ll」「テガミバチ」。アニメのキャラクター原案や、イラストレーターとしても活動中。
筋肉少女帯のCDジャケットや宮沢賢治作品、中原中也詩集の表紙など手掛けている。

https://twitter.com/asadercover

 

 

 

                                   Photo by Nojyo

 

 

大森暁生 / AKIO OHMORI

東京都出身 愛知県立芸術大学美術学部彫刻専攻卒業。
彫刻家 籔内佐斗司氏のアシスタントを経て独立。氏

国内外のギャラリー、百貨店、アートフェア、美術館等での個展や展示に加え、
多くのファッションブランドとのコラボレーションなど幅広く作品を発表。
フォトエッセイ+作品集「PLEASE DO DISTURB」(芸術新聞社)、
大森暁生作品集「月痕 つきあと」(マリア書房)を刊行。

akioohmori.com

 

 

 

      

                                ©️HIROYUKI ASADA, Cafe Swordfish

 

 

カフェソードフィッシュ / Cafe Swordfish
とある街の5街建てビルの屋上にあるという架空のカフェ、ソードフィッシュ。
その物語をモチーフに、様々なジャンルのクリエイターが創作活動を行う、コンテンツサイト&オンラインストア。

cafeswordfish.com

 

 

 

 

 

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