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対談 浅田弘幸×大森暁生(8)

 

 

 

 

 

浅田弘幸×大森暁生トークライブ at D.B.Factory

花の咲く場所 -Flowers Always Bloom Somewhere-

 

 

 

 

 

去る2017年5月4日に開催した、

漫画家・浅田弘幸さんと、彫刻家・大森暁生さんのトークイベントの模様を

全10回にわたってリポートします。

 

 

司会・テキスト 大塚茂之(Cafe Swordfish)

写真 縣 ケンジ/ AGATA Kenji ※記事中、表記のないものすべて

 

 

 

 

 

 

幼い頃からの夢を叶えて漫画家になった浅田さん。
彫刻家になる前は全く別の職業を目指していた大森さん。
前回は歩んでこられた道の大きな違いを伺うことができました。

 

 

ここで、大森さんを今に導いた、大事な出会いのエピソードをもう一つ。

 

 

 

 


第8回 上村一夫さん

 

 

 

 


【司会】
今日は浅田さんがゲストということで、もう少し漫画に関連したことを伺いたいと思います。
先ほどのアパレルとのコラボレーションの話がありましたが、もともと大森さんが一番最初に異ジャンルの方との交流を持たれたのは、漫画家さんなんですよね?

 

 

 

 


【大森】
そうなんです。漫画家さんというか、本当は劇画家さんとお呼びした方がいいんですが、上村一夫さんという方がいまして。
本来の読者層は僕よりもっと上の世代だと思うんですが、
『同棲時代』とか『修羅雪姫』(※原作・小池一夫氏。クエンティン・タランティーノ監督がそのオマージュとして映画『キル・ビル』を作ったことで、世界的に知られるようになった作品)などを描かれた後、若くして亡くなられた方なんです。

 


その上村さんの『凍鶴』という作品がありまして。
近所の本屋さんでたまたまその背表紙だけ見えたんですね。
凍る鶴と書いて「いてづる」というのがやけに目にとまりまして。
僕、言葉から作品を作ることが多いんですけど、その言葉が目に飛び込んできて、手にとったのが最初ですね。

 


読んでみましたら、東京で、ある女の子が仕込みっ子という修行時代を経まして、一本芸者になっていく、そういうストーリーなんですけど、自分がその当時創っていた女性像ととても近い切り口で女性を描く漫画家さんが遥か以前にいらしたということに嫉妬というよりも嬉しさを感じまして。でも、作者の上村さんはもうその時点で亡くなられていたんです。

 


そこで、是非、上村さんの作品に対するオマージュ展をやりたいと思いまして、上村一夫さんの『凍鶴』から影響を受けて創った作品と共に『凍鶴』の原画をお借りしてそれを一緒に展示するという個展をやらせていただきました。

 

 

 

 

 

 

 

(大森さんのオフィシャルサイトへのリンク)

 

 

 

翼霊 ー凍鶴ー

 


ー月の風

 


月光の風



六月の風 ー凍鶴ー

 


水鏡の風 ー凍鶴ー
 

 

 

 

 

 

【大森】
その時に、ご本人はいらっしゃらないということで、著作権者の奥様とお嬢さんのところにご挨拶に行きました。

 


で、展覧会が終わった後に、ご本人にお礼が言いたいと伝えましたところ、お嬢さんにお墓参りに連れて行っていただいくことになって。
行き帰りの車の中で、将来こんなことがやりたいんだ、あんなことがやりたいんだと、思いの丈を色々話していたら、それを覚えていてくださって。

 


その上村さんのお嬢さんが、たまたま、先ほどの照井さんのブランド、ケルト&コブラで働かれていたんです。

 

 

 

 

 

【客席】
おおー!

 

 

 

 


【浅田】
……つながりますねえ。

 

 

 

 


【大森】
それで後に、先ほどの『火の頭蓋』のお話をくださったと。

この件がそれからの他ジャンルの方とのお仕事のきっかけになりましたけど、自分からいろんなところにファイルを持って売り込みに行った結果とかではないんですよね。

やはりこれも自分にとって自然なつながりだったんじゃないかと思っています。

 


 

 

 

 

 

大森暁生コラム「PLEASE DO DISTURB」

2008.03.17「上村一夫さん」全文

 

 

 

 

 

 

 


□ □ □ □ □ □

 

 

【司会】
私事で恐縮なんですけど、私は自分がなりたいと思った職業になれていない人間なんですね。
その立場の人間から伺いたいのは、その職業に就くまでに、途中で諦めようとか、もうやめようとか思ったことはなかったですか?

浅田さん。

 

 

 

 


【浅田】
それは、ない、ですね。

今だとネットとか色々な発信方法があると思うんですけど、僕の当時は限られた雑誌しかなくて、漫画家なんて夢っていう時代だったんですよ。なれない人がたくさんいて、連載出来るなんて奇跡みたいな。
周りはね「またそんな夢みたいなことを」っていうんですけど、僕自身は絶対デビューして漫画家になると思ってました。ですから新人の時、どんなに編集さんにボロクソ言われても、諦めるとか、捨てるとかは考えられませんでしたね。とにかく「上手くなりたい」っていう気持ちの方が強かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


【大森】
僕は、やめたいっていうことに関していうと(この職業をやっている現在)割とちょくちょく思う(笑)
思うんですけど、じゃあ他のことと思うとですね、すごく辛そうなんですよね、他のことやっている自分を想像すると。それをするぐらいだったら、今やっていることをやろうと。

 


あんまり世の中と接点を持っていない若い頃っていうのは(作品を)作っている時間がほとんどで、作ってさえいれば満足なんです。
それがだんだん仕事として成立してきて、世の中との接点ができてくると、さっきも話しましたけど、あんまり乗り気じゃない仕事をどう乗り気にしていこうかとか、変なジレンマが生まれたりする。本質的には作っていれば満足なのに、それだけでは仕事として成立しないっていう。

 

 

 

 

 

【司会】
例えば他の作家さんだと、その作るところだけに没頭して、世の中との接点は誰かに任せるという判断をする方もいらっしゃると思うんですけど、大森さんはそうじゃなくて、世の中との関わり方もご自分で切り開いて活動されているわけで。でも本当は作るところだけに没頭したいって気持ちもあるっていう。

 

 

 

 

 

【大森】
ものすごいプロデューサーがいたら本当全部お願いしたいくらいなんですけど、そういう人とはそうそう会えるもんじゃないし、自分の相性の問題としては、今のところまだ会ってない…かなあ。
もちろん相性のいい画廊さんとは今もお仕事させてもらってるんですが、ただ、自分の全部を任せるっていうことは、それが誰であっても無理なんじゃないですかね。

 

 

 

 


【司会】
だったら自分でと。

 

 

 

 

 

【大森】
そうですね。それで自分では手がまわらないところをお手伝いいただくとか、助けてもらうっていう関わり方が、自分ではいいのかなと思いますね。

 

 

 

 

続く。

 

 

 

 

 

 

目次

 

 第1回 黒い壁の中へようこそ(5/17 UP)

 第2回 義眼神父と火の頭蓋(5/22 UP)

 第3回 コラボレーションはトレードマークで(5/26 UP)

 第4回 アシスタント制と工房制(6/4 UP)

 第5回 やりたくない仕事はありますか?(6/6 UP)

 第6回 うみんちゅ君(6/7 UP)

 第7回 まんが道とはぐれ刑事純情派(6/10 UP)

 第8回 上村一夫さん(6/20 UP)

 第9回 浅田さんと大森さんに訊いてみたいこと(6/20 UP)

第10回 少し先の未来(6/20 UP)

 

全10回を公開しました。

 

 

 

 

 

 

浅田弘幸×大森暁生×Cafe Swordfish

スペシャルコラボアイテムのご注文はこちら

 

延長後のオーダー締切は

6月25日(日)夜10時まで

とさせていただきます。

よろしくお願いいたします!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浅田弘幸 / HIROYUKI ASADA
漫画家。1968年神奈川県横浜市生まれ、鎌倉市在住。1986年に集英社月刊少年ジャンプでデビュー。
代表作に「眠兎」「蓮華」「I’ll」「テガミバチ」。アニメのキャラクター原案や、イラストレーターとしても活動中。
筋肉少女帯のCDジャケットや宮沢賢治作品、中原中也詩集の表紙など手掛けている。

https://twitter.com/asadercover

 

 

 

                                   Photo by Nojyo

 

 

大森暁生 / AKIO OHMORI

東京都出身 愛知県立芸術大学美術学部彫刻専攻卒業。
彫刻家 籔内佐斗司氏のアシスタントを経て独立。氏

国内外のギャラリー、百貨店、アートフェア、美術館等での個展や展示に加え、
多くのファッションブランドとのコラボレーションなど幅広く作品を発表。
フォトエッセイ+作品集「PLEASE DO DISTURB」(芸術新聞社)、
大森暁生作品集「月痕 つきあと」(マリア書房)を刊行。

akioohmori.com

 

 

 

      

                                ©️HIROYUKI ASADA, Cafe Swordfish

 

 

カフェソードフィッシュ / Cafe Swordfish
とある街の5街建てビルの屋上にあるという架空のカフェ、ソードフィッシュ。
その物語をモチーフに、様々なジャンルのクリエイターが創作活動を行う、コンテンツサイト&オンラインストア。

cafeswordfish.com

 

 

 

 

 

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