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対談 浅田弘幸×大森暁生(9)

 

 

 

 

 

浅田弘幸×大森暁生トークライブ at D.B.Factory

花の咲く場所 -Flowers Always Bloom Somewhere-

 

 

 

 

 

去る2017年5月4日に開催した、

漫画家・浅田弘幸さんと、彫刻家・大森暁生さんのトークイベントの模様を

全10回にわたってリポートします。

 

 

司会・テキスト 大塚茂之(Cafe Swordfish)

写真 縣 ケンジ/ AGATA Kenji ※記事中、表記のないものすべて

 

 

 

 

 

 

 

第9回 浅田さんと大森さんに訊いてみたいこと

 

 

 

 

 

イベントも終盤となったところで、せっかくなのでご来場のお客様からも質問をいただきました。
質疑応答のお時間です。

 

 

 

 

 

 

□ □ □ □ □ □

 

 

質問1

 

浅田さんへ。
先ほど家族がいると好きな車が持てないと仰ってましたが、好きに買えるとしたら何を買いますか?

 

 

 

 


【浅田】
何買おうかなあ(笑)いっぱいありすぎて。

そうですね、今だったらセリカ1600GTが欲しいかな。ブルーのやつ。
セリカはうちの爺さんが乗ってたんです。

 

 

 

 

 

【司会】
大森さんはもう乗りたい車に乗ってますもんね。

 

 

 

 

 

【大森】
いや、でも一日に一回、寝る前にネットで車のページを見るんですけど。

 

 

 

 


【司会】
あ、見るのは見るんですね(笑)

 

 

 

 

 

【大森】
どう絞っても、この先、欲しい車が8台以上あって。

 

 

 

 

 

【客席】

(笑)

 

 

 

 

 

【司会】
まあまあ、ありますね(笑)
1年おきに乗り換えても8年かかりますよ。

 

 

 

 

 

【浅田】
それじゃあ、これから結婚は……ねえ?

 

 

 

 


【大森】
そうなんですよねえ。それを理解してくれる人って考えたら難しいですよねえ。
あれなんですよ、一番最初はサニー乗ってたんですよ。

 

 

 

 


【浅田】
おお、いいですね。

 

 

 

 


【大森】
サニー乗って、ジェミニ乗って、◯◯◯◯……(以下、遍歴が語られる)
あのー、無視してください(笑)

若い時は、変わった車に乗って行くと覚えてもらえるっていうのを、随分利用させてもらいました。
もちろん好きで乗ってるんですけど。

 

 

 

 


【浅田】
僕ね、初連載を取った時にバイクに乗ってたんですけど、編集長にバイクはもうやめろって言われたんですよ。
もし骨折でもしたら、雑誌に穴が開くから。
ダメだって、すっごい言われたんですけど、普通に乗ってました(笑)

 

 

 

 

 

【客席】

(笑)

 

 

 

 


【大森】
僕もバイクは乗りたかったんですけど怖くて。友達がトラックに突っ込んで両手を骨折したんです。
そうそうそう、思い出した。学生の時に、スノーボードが日本に入ってきたんですよ。

 

 

 

 

 

【浅田】
シャレてますね(笑)

 

 

 

 

 

【客席】

(笑)

 

 

 

 

 

【大森】
いやいやいや(笑)

で、スキーはうまくなくて行くのに気が引けてたんですけど、まだ入ってきたばかりのスノーボードなら下手くそでもいいだろうと思って、友達3グループぐらいに声をかけて、みんなで行くことにしたんです。
その旅行に行くちょうど直前に、籔内 佐斗司先生のところで「明日から来ないか」と言われたんです。
それで悩んでですね(笑)

 

 

 

 

 

【司会】
スノーボード行こうか、先生のアシスタントに行こうか(笑)

 

 

 

 

 

【客席】

(笑)

 

 

 

 

 

【大森】
自分が誘ったのに「ごめん、俺、人生を取る」って言ってキャンセルして、みんなに顰蹙を買いました(笑)
それからスノーボードは一回もやったことがないです(笑)

 

 

 

 

 

 

 

□ □ □ □ □ □

 

 

質問2

 

作品を作るにあたって普段からアンテナをはっていることはありますか?
また、自分の中の「こういうもの」を表現したいということがあれば教えてください。

 

 

 

 


【大森】
木彫の一点ものが、300〜400点。エディション限定ものを含めると1500点くらいあるんですが、
彫刻の仕事を始めた当初からこの全てが自分の中にあったわけもなく、自分から溢れ出てきたものというよりは、わらしべ長者のように、この仕事をしたらこの人と出会いました、この人と出会ったら一個ヒントをもらいました、それでこの作品ができましたと。その繰り返しがずっとつながって今日まで来ている感じです。

 


自分に才能があるとすれば、スポンジみたいに、会った人から少しずつ何かを吸収するというのは得意な気がしているんですね。オリジナル作品を作る人って全部を自分のオリジナルだって顔をしたがるんですけど、必ず何かに影響を受けているし、僕はそれでいいと思っています。それを踏まえて自分らしいものに落とし込んでいけばいいんじゃないかと思います。

 


作品を作っていれば満足ってさっき言いましたけど、作品を作って発表したことで起こる何かが好きなんだよね。まさかこの人と知り合うとは思わなかったとか。
「彫刻作りという生業を通して、日々が充実し、自分の自尊心が保て、そして人間関係が豊かになること」っていうのが自分の幸福論なんですけど。
アンテナをはるというより、大事にしているのは、作品を作ることで得られる出会いや、その人たちからの影響ですかね。

 

 

 

 

 

【浅田】

僕はですね、最近ようやく映画を見たりとか、漫画を読んだりとかを少しずつ始めました。

というのも、(テガミバチの)連載をしていた10年間は、外から入ってくるものをかなり遮断して暮らしていたんです。余計なものの影響を受けて大事な連載がブレてしまうといけないと思って、自分の中にあるものだけで作品を作るというやり方をずっとやっていた。

なので、今はリハビリ中みたいな感じです。なんか、テレビを観てちょっとおもしろいなあ、とか。要は10年間引きこもってたようなもんなんで。

 


僕が連載していた雑誌(ジャンプSQ)はゴールデンウィークスケジュールっていうのがありまして、3月から4月下旬はほぼ外に出れないっていう状態になるんです。一歩も外に出ないで3週間ぐらい過ごしたりするんですよ。
だから今年は、外に出てみれば桜が咲いているし、春ってあったかいんだなあって感じる。
なんかくしゃみが出るなあとか、目がかゆいぞ、なんだこれって(笑)
そういう隔離されたところから出てきて、新鮮な経験を今していてですね。これをまた色々結びつけて、自分の表現にしていきたいなあっていうふうに思ってます。

 


でもね、なかなか漫画読むのって大変ですね。
今、いっぱいあるじゃないですか。
こんなにいっぱい漫画がある中からセレクトして読んでるって皆さんすごいなあと思って。
逆にこっちがアンテナのはり方を教えて欲しいくらいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

□ □ □ □ □ □

 

 

質問3

 

作品の完成地点はどうやって決めていますか?

 

 

 

 

 

【浅田】

基本的には締切日です。
完成してなくても、そこで完成っていう。

 


完成って、うーん、難しいな。今見てもちょっと直したいなってところはたくさんありますし。
締切日にいったん原稿を渡してしまうんですけど、そうすると、単行本で直すってなっても、以前のテンションではないことが多いんですよ。
間違いだったなっていうところは直したりしますけど、手を入れすぎてしまうと、作品のバランスが違うものになってしまうというか。

 


手塚先生は、本が出るたび直してたっていうエピソードがありますよね。気持ちは同じなんですが、実際やっちゃうと泥沼だと思うんで(笑)。
でも、この辺で置いとく、筆の置きどころっていうのはやはり大事なので、そこを冷静な判断で見極められたらいいなって思います。

 

 

 

 


【大森】

最近は締め切りに対する体内時計みたいなのがあって、半年なら半年、1ヶ月なら1ヶ月で、それに間に合わせるようにコントロールしています。

 


例えば動物なんかの作品では無造作に彫っているように見えて、これ以上手を入れるとせっかく生き生きしていたノミ跡が壊れちゃうなとか、嘘くさくなるなとか、そういう時はもうやめますね。

 


そこから僕の木彫は大体、漆で仕上げるんですね。その作業に入ると、漆っていうのは乾燥するのに一定の時間が必要で、一日に塗れる回数ってのが限られているので、そこからは一回目、二回目、三回目とマニュアル的に出来上がってくるんです。逆に言うと、その段階まで来ていれば、完成までそんなに悩むことはない。
最後は目を入れて完成なわけですけど、それもそんなに一筆入魂みたいな感じじゃなくて、最初に下地の漆を塗って、黒い漆を塗って、金を塗って、最後に黒目を描いてと、段階を追って淡々とやっているだけです。

 

 

 

 

 

【浅田】
淡々と?

 

 

 

 


【大森】
最初の頃は何度も描き直したりしましたけど、最近は大体一回で。

 

 

 

 

 

【浅田】
一筆入魂、うおー! みたいな感じはない?

 

 

 

 


【大森】
ないですね。

 

 

 

 


【浅田】
「ここに全てをこめるんだ!」(笑)

 

 

 

 

 

【大森】
ないです(笑)

 

 

 

 

 

【浅田】
でも、作品の目って一点一点違うじゃないですか。

 

 

 

 


【大森】
違いますね。

 

 

 

 

 

【浅田】
なかなか決まらないってことはないですか?

 

 

 

 

 

【大森】
あのー、また喋らないほうがいいって言われるかもしれないですけど(笑)

例えば、ファミレスって4人いたら4人分の温かい料理が同時に出てくるわけですけど、ハンバーグならハンバーグ、パスタならパスタ、同じ工程を一度にまとめてやったほうが効率がいい。
うちも個展の時やいくつかの展覧会を準備しているときには、複数の作品が一気に出来上がってくるわけです。
だから目を描くときも、一列に並べてこうやって……(笑)

 

 

 

 

 

【客席】
(笑)

 

 

 

 

 

【浅田】
作業だ……(笑)

 

 

 

 

 

【大森】
お医者さんが毎日涙を流していられないように、淡々とやるほうが、冷静にいつもの自分の力を出しやすいかもしれない。

 

 

 

 

 

【司会】
ただ、それは作品個々のイメージが明確だからでしょうし、もちろん技術があってこそだと思うんですが。

 

 

 

 

 

【大森】
もちろんそうなんですけど。
さっきの神通力の話で、ある日、突然それができなくなるんじゃないかと思うと……怖いなあ(笑)

 

 

 

 

続く。

 

 

 

 

 

目次

 

 第1回 黒い壁の中へようこそ(5/17 UP)

 第2回 義眼神父と火の頭蓋(5/22 UP)

 第3回 コラボレーションはトレードマークで(5/26 UP)

 第4回 アシスタント制と工房制(6/4 UP)

 第5回 やりたくない仕事はありますか?(6/6 UP)

 第6回 うみんちゅ君(6/7 UP)

 第7回 まんが道とはぐれ刑事純情派(6/10 UP)

 第8回 上村一夫さん(6/20 UP)

 第9回 浅田さんと大森さんに訊いてみたいこと(6/20 UP)

第10回 少し先の未来(6/20 UP)

 

全10回を公開しました。

 

 

 

 

 

 

浅田弘幸×大森暁生×Cafe Swordfish

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延長後のオーダー締切は

6月25日(日)夜10時まで

とさせていただきます。

よろしくお願いいたします!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

浅田弘幸 / HIROYUKI ASADA
漫画家。1968年神奈川県横浜市生まれ、鎌倉市在住。1986年に集英社月刊少年ジャンプでデビュー。
代表作に「眠兎」「蓮華」「I’ll」「テガミバチ」。アニメのキャラクター原案や、イラストレーターとしても活動中。
筋肉少女帯のCDジャケットや宮沢賢治作品、中原中也詩集の表紙など手掛けている。

https://twitter.com/asadercover

 

 

 

                                   Photo by Nojyo

 

 

大森暁生 / AKIO OHMORI

東京都出身 愛知県立芸術大学美術学部彫刻専攻卒業。
彫刻家 籔内佐斗司氏のアシスタントを経て独立。氏

国内外のギャラリー、百貨店、アートフェア、美術館等での個展や展示に加え、
多くのファッションブランドとのコラボレーションなど幅広く作品を発表。
フォトエッセイ+作品集「PLEASE DO DISTURB」(芸術新聞社)、
大森暁生作品集「月痕 つきあと」(マリア書房)を刊行。

akioohmori.com

 

 

 

      

                                ©️HIROYUKI ASADA, Cafe Swordfish

 

 

カフェソードフィッシュ / Cafe Swordfish
とある街の5街建てビルの屋上にあるという架空のカフェ、ソードフィッシュ。
その物語をモチーフに、様々なジャンルのクリエイターが創作活動を行う、コンテンツサイト&オンラインストア。

cafeswordfish.com

 

 

 

 

 

 

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